2010.08/02(Mon)

花束の行方 2

 赤い花はやっぱり苦手だ。どうしてもバラを思い出してしまう。
 だが街角の小さい花屋にはあまり種類がなく、見栄えが良く、しかしバラではない赤い花はやはりこれしかない。
 まあ、よく見ればきれいだよな・・。
「花束ですか。この前も同じお花をお求めでしたね」
 ニッコリ微笑む女性店員に、先日の失敗が思い浮かぶ。
 だが今日は大丈夫だ。ISOのコンピュータでちゃんと調べたんだ。
 おれは花束を手に覚悟を決めて花屋を出た。

 彼女はおれのファンらしく、ブログでおれの活躍を紹介してくれる。それを見た女の子がまたおれのファンになるって寸法だ。いい話じゃねえか。
 お、この店だ。
 確か今日はオフ会とやらで、彼女もおれのファン達も集まっているらしい。ここはひとつ格好良く・・。
「2222ヒット、おめでとう!」
 勢いよくドアを開け、出来る限りの笑みを顔面に貼り付けたが
「・・え?」
 手前の席にいたキョーコがキョトンとした大きな瞳を向けてきた。
「なに言ってるの、ジョー。2222なんてとっくに過ぎてるわ」
「・・え」
「もう何ヶ月も前の話よ。おまけに自分で踏んじゃったし」
「え・・・」
 そ、そうなのか?
 いやそれより、またまたこのおれの状態をどうする。何人もの女の子がおれに目を向けてくる。こんな格好悪いのは、おれのキャラじゃない。
「あ、まあ・・その・・。とにかくこれやるよ。じゃあなっ!」
 キョーコに花束を押し付け、ジョーは店を出て行った。
「おかしなジョーね」キョーコはため息をついたが、「そういえば、あなたのところも2222ヒットだったわね。このお花持っていく?ネコちゃん」
 店の奥のボックス席に向かって言った。


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