2013.03/14(Thu)

ホワイト・アタック(ep.R)


「コンドル・マシン!」
 ダダダ・・・と連続音を撒き散らしシリンダーがまわる。
「うわあ!」
 目の前の敵にバンバン当たる。と、
「あ、甘い」
「うまいぞ」
「な、なんだと」
「コンドルのジョーさん、もっと撃ってください」
「こっちにもお願いします」
 ダダダ・・・
「ああ、おいしいなあ」
「ジョーさん、こっちこっち」
 ダダダ・・・

「うわっ!」
 ビクッ!と体が跳ね、ジョーは目を覚ました。
「珍しいな、うたた寝なんて」向かいのソファに座る健が驚いたように目を向けた。「おまけに寝ぼけて」
「くそぉ、あいつのせいだ。淳の奴が〝キャンディ、キャンディ〝言いやがるから」
 健が首を傾げた。
「この前のチョコレートのお返しだかナンだか知らねえが、おれの顔を見るたびに、〝赤いのが  いい〝とか〝おいしそうなキャンディが売ってる〝とか」
「ああ、もうすぐホワイトデーか」
「高いものはいらねえ、キャンディでいいとぬかしやがった。おれにとって高いも安いもキャンディも関係ねえ。一緒だ」
「あはは・・・可愛いじゃないか」
「冗談じゃねえ、おかげでおれはメカのマシンガンにキャンディ入れて撃っちまったんだぞ」
「・・・まあ、丸いしなぁ、弾もキャンディも」
「そーいう事じゃねえ!」
 訓練の合間の休憩だ。ゆっくり休みたかったのに、これでは午後からの訓練が思いやられる。
「なんだってこんな行事があるんだ。キャンディなんて自分で買えるだろ」
「お前から貰いたいんだよ。それとも・・・ちょっとした復讐かな」
「は?」
「女心を解さないヤロウに対しての」
「お前に言われたくない!」
 シュッ!と見えないの羽根手裏剣が飛ぶ。
「いいじゃないか、キャンディの1つや2つ。貰えばそれで気が済むさ」
「・・・そうかな」
「いつの時代でも女の子から告白するって勇気がいるんだぜ。そこを汲んでキャンディぐらいやれよ」
「・・・ん」
「貰ったらお返しはしなくちゃな」
「・・・ん」
「ついでにジュンにもあげてくれないかな。なぜか彼女もうるさいんだ」
「代金は折半だからな」

「いらないわよ!ジョーにはあげてないんだから!」
「あ」
 彼ら専用の休憩室だ。後ろのソファにはジュンがいた。
「どうして?キャンディ欲しいって─」
「キャンディが欲しいんじゃないわ。欲しいのは─」
 フッと口を噤み、赤くなるとバタバタと音を立ててジュンは出て行ってしまった。
「欲しいのは・・・マシュマロだったのか?」
 わかってるのかわかってないのかわからない健に危うく説得されそうになった自分を、ジョーは あ~ぶねぇあぶねぇと首を振って気を取り直した。

「いくわよ、ジョー!」
 ダダダ・・・
「ちょっと待て、淳!・・・わあっ、痛てぇ!」
「当たれば痛いに決まってるじゃない。これくらい避けられないの。案外トロいのね」
「なんだと!あ、やめろ!こいつ!」
 ダダダ・・・

「なにやってるんじゃ、ありゃあ」
「試作品のシリンダーを使って動体視力の訓練装置を作ったんだってさ、淳が」
「で、弾の代わりにキャンディ飛ばしてるのか」感心したように健が頷いた。「予知能力があるのか、ジョーは」
「なにをボヤッとしてるの、3人とも。あなた達もいくわよ!」
 ダダダ・・・
「うわっ!」
「やめとくれ~」
「やだぁ、3人とも、トロい~」
「なんで淳だけじゃなくてジュンも撃つ側なんじゃー」
 ダダダ・・・
「狙いは絶対にアニキとジョーだよな」
「おら達はとばっちりかい」
「いーかげんにしやがれ!ダブル・ジュン!」
「ダブルJを相手に簡単にいくと思ってるの?」
 ・・・お話が違う。

「なんだか今日は気合が入っているね、みんな」防弾ガラスの向こう側で南部がうんうんと頷いている。「しかしなんで淳まで参加しているんだ?」
「そ、それは・・・博士に頼まれ開発していた試作品のシリンダーの具合を見たいそうで」
 G2号機のメカニックリーダーであるバレンが言った。淳め、こんな事に使うために自分から使用許可を取ったのか。なんて奴だ。
「あれがそうなのか。うーん・・・」
 珍しく南部が迷ったように眉をよせた。

「ああ、気持ちよかった。まさかシリンダーにあんな使い道があったなんて」
「けっこう当てていたわね、ジュン」
「いいのよ。あれくらいやらないと女の子の気持ちなんてわからないんだから」
「でも」淳が言いよどむ。「あれじゃあ、私たちがあの2人にキャンディをあげたみたいじゃない?」
「・・・う」
 2人は顔を見合わせちょっと考え込んだ。

 その後、この2人は無事キャンディを貰えたのだろうか。
 ISOの研究施設のセキュリティが強化されたのでわからなくなった。
 が、その騒動を聞いた男性職員達が、とりあえず自分にチョコレートをくれた女子職員にキャンディを渡すためこぞって売店に殺到したのでキャンディもマシュマロも売り切れになったことと、あのシリンダーは危険だという南部の提言で、Gメカに武器を装備するのは取りやめになったとかなんとか・・・。


ガトリング弾丸
 
        違っっ!!


                                     
スポンサーサイト
14:50  |   Jのものがたり  |  TB(0)  |  CM(5)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

●覚書き

楽しく書いたー。
が、書き終わってミスに気が付いた。

このシリーズは「ep.R」なのでまだ戦い前の設定だ。なのに「コンドル・マシン」があるわけがない。
しかしそれでは話がおもしろくなくなる。
で、気が付いたのが健の「予知能力があるのか、ジョーは」という台詞。
そーか、そーか、ジョーにはわかっていたのね。将来、こーいう名前の武器が付くと。

本当は違う意味で言った台詞だけど、ま、いーや。
1人で勝手に辻褄合わせしてる淳さんでした。
淳 | 2013.03.14(木) 15:06 | URL | コメント編集

●こんばんは~

ホワイトデーでしたね。
忘れていました。
私、毎年ホワイトデーを放置されているので。(爆)
バレンタインデーにチョコを上げてもお返しが帰って来た試しがないです。
ウチの誰かさん。(^_^;

「コンドル・マシン」では私もミスってますから、気にしないようにしましょう。
minako | 2013.03.14(木) 23:41 | URL | コメント編集

●minakoさん

こんにちは、minakoさん。

>お返しが帰って来た試しがない
あらあら、それはひどい。
うちもないですよ。あげていないので(^◇^)

>気にしないようにしましょう
はい。
最近勢いで書いているので細かい事わすれました。 ←ダメじゃん
いまBD見て、イチから勉強してます。
淳 | 2013.03.15(金) 15:16 | URL | コメント編集

●わ~ははは

いいわ~、年齢相当のやり取りをする諸君e-343
ジュンと淳のダブルJは最強タッグよね~ 男の子たちもタジタジだわ(笑)
へい | 2013.03.15(金) 16:05 | URL | コメント編集

●へいさん

いらっしゃいませ~、ようこそ~。

>年齢相当のやり取り
そーいう年齢の奴らを目の前で見てましたからね。
もっとも健やジョーのようにはモテなかったみたいだけど(^_^;)

>最強タッグ
いつかどこかにデビューしようかと。 ← 追い出されます。
よかったらそちらの男の子たちのところにも。 ← やめなさい。怖ーいおかーさんがいます。
淳 | 2013.03.15(金) 17:30 | URL | コメント編集

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除するのに必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

Tracback

この記事のトラックバックURL

→http://g2joe.blog97.fc2.com/tb.php/154-28506382
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP |