2014.02/22(Sat)

追跡!


「前方20キロ。ギャラクターの小型機がサンツウ森林地帯に向かっているわ」
「やはりそうか」
 パトロール中、たまたまレーダーで捉えたギャラクターの小型輸送機をゴッドフェニックスはノルウーグ国、サンツウ森林地帯まで追ってきた。
 過去のデータからここら辺りに基地のひとつもあるだろうと南部博士が言っていたが、どうやら当たっているようだ。
「よし、そのまま追跡だ。基地を見つけて本部の場所を探り、壊滅する」
「ラジャ!」
 4人が声を揃えた。と、
「お、輸送機が森林地帯に下りていくぞぃ」
「降りられたらゴッドフェニックスではもう追えないわ。それでなくてもここは世界一、二を争う広範囲の森林地帯よ」
 有視界にしてあるメインスクリーンに映る輸送機はみるみるうちに高度を下げて行く。眼下の森林に着陸するのは間違いない。
「よし、各自のメカで追跡を続けよう。奴らの基地を見つけたら必ず連絡しろ。勝手に飛び込むなよ」
 最後の台詞をジョーに向かって言う。ジョーはチェッと舌を打ったが何も言わなかった。
「ち、ちょっと待ってくれ、健」各自のメカに移ろうとする仲間に向かってリュウが声を掛けた。「それだがよ。おらのメカを変えてくれんかの。毎回毎回─」
「おれにその権限はないと言っただろ。博士に直接言ってくれ。行くぞ!」
「ラジャー!」
「残念だね、リュウ。たま~においらのメカと変えてやってもいいよ」
「ええわ。ジンペイのメカも腹がきつい」
「変えられるものならおれも変えたいぜ」
「えー、ジョーも!?」
「なんでだよ。広々としてていいじゃないか」
「冗談じゃねえや。おれはな─」
「無駄口を叩いているひまはない。各自Gメカに乗るんだ!」
「ラ、ラジャ!」
 シートを蹴るように4人は飛び出した。

「なんだかしっくりこないんだよなぁ、この操縦桿」
「き、きつい。苦しい。回らんわ」
「なんでおれがこんな─」
「みんな、いいわね~」
「文句を言うな。行くぞ。ゴッドフェニックス分散!」
 健の合図とともに3台のGメカが次々と地面に下ろされて行く。G1号機は低空飛行に移った。
「健」ジョーだ。「地面に下りたらレーダーが利かなくなったぞ」
「ほんとだ。レンジに捕捉していた輸送機も消えちゃったよ、アニキ」
「輸送機が下りた方角はわかっている。各自用心して向かってくれ」
「ラジャ!」
 上空は高い木々で覆われている。足場も悪く、地面を走る木の根っこに邪魔されてさすがのGメカもその性能を発揮できない。
「くそぉ、とても高速走行は無理だぜ。いっそのこと飛んでやろうか」
 だが、たとえ飛べたとしても頭のすぐ上は太い樹木が縦横無尽に生い茂っている。
「わわわ・・・振動がモロにくるぞい。こーいう場所の走行には向かないわ」
「なにやってんだよ、リュウ。そのまま真っ直ぐ行ったら大木に正面衝突するよ」
「ステアリングが回らないんじゃ。腹につかえて」と、きゅぅぅ・・・と音を立ててメカが止まってしまった。「あ、いかん。ドロにタイヤを取られたわ。押してくれ、ジョー」
「面倒な奴だぜ」
 操縦桿を前後に動かし、ジョーは目の前でタイヤを鳴らしているメカのリアに自分のメカのフロントをつけ思い切り前進した。
 派手なスキール音を撒き散らし、それでもドロ溜まりから脱出した。
「サンキュ、ジョー。ヘタするとサイが来るからのぉ」
「なにわけわかんないこと言ってるんだ。ちゃんと前を見ろ!」ジョーはチェンソーを出し目の前の大木を切っていく。「あー、じれったいぜ」
「2人とも、モタモタしているから健のアニキがかなり先に行っちゃったよ」
「なんだって。あんにゃろ~」
「健のメカは地面でも水の上でも走れるからのぉ」
「こんな事してられねえ。一気に倒してやる。えーと、えーと・・・」
「まさか爆弾を使うんじゃないよね、ジョーのアニキ」
「そりゃダメだわ、ジョー。相手に気づかれる。ここはひとつおらが─あ、ステアリングに腹がつかえてスイッチに届かない」
「リュウだって大きな音がするよ。ここは先行したアニキに任せた方が」
「チェ! またリーダー様大活躍の回かよっ」

 ハッ! と5人は目を覚まし、辺りを見回した。
 前方では南部博士の講義がまだ続いている。が、ますます内容がわからなくなった。
「おいら、変な夢見てた」
「おらもだわ。なぜかジョーのメカに乗っていた」
「え、おれはマメタンクだったぜ」
「マメタンクじゃない! あ、おいらは健のアニキの・・・」
「私は留守番だったわ」
「皆で同じ夢を見ていたのか」
 健の言葉に4人がうーん、と唸った。
「チームワークが大切とはいえ、そこまで付き合わなくてもなあ」
「あんな動きの遅いメカはご免だぜ」
「ヒロインの出番が少ないってどういうこと?」
「おいらは良かったな~。今回は低空だったけどもっと飛びたい」
「おらもうこりごりだわ。尻は痛いし腹はきついし」
「こらあ!」大声が飛んだ。南部だ。「どうも君達は机に着くと眠くなるらしいな。しかしこれからの忍者隊は戦いだけではなく科学的でなくてはならない。科学忍者隊なのだから。そもそも─」
 ああ、またここから長くなる。戦いはいやだが、これなら野外訓練で走っていた方がいい。
 科学とは何かを語る博士の声を聞きながら、5人の瞼はまた下がり始めた。


                                  おわり
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11:22  |   Gフィク  |  TB(0)  |  CM(12)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

●こんにちは

笑わせて戴きました!
夢落ちでしたか!
竜にG-2号機はきつかろう(笑)
マメタンクもジョーには足がつかえそう。(笑)
(私も1度甚平を救う為に操縦させた事がありましたが…)

思いっきり想像しました。
健とジュンが一番楽でしたね。
あ、甚平に良くG-1号機が操縦出来たものです。
ご立派!(拍手!)

淳さんの処に来ると楽しいので、いろいろな屈託を忘れられます。
いつも有難うございます。
真木野聖 | 2014.02.22(土) 12:38 | URL | コメント編集

いやだあ〜、みんなして同じ夢見ちゃうなんて。ホント、そんな事までチームワーク良くなくてもいいのね。
それぞれ他の人のGメカを操縦(や運転)をする諸君が目に浮かんで笑いを堪えるのに大変でした(笑)。

>科学とは何かを語る博士の声

あ、ダメだ、食事したばかりだし、私も眠くなりそう・・・。
kisara | 2014.02.22(土) 14:07 | URL | コメント編集

●真木野聖さん

いらっしゃいませ~。

>竜にG-2号機
変身前ならともかく、あのシートですからね。
そりゃステアリングもまわらんワ。

>足がつかえそう
あの長い脚を直角に折って。( ´艸`) ♡

>操縦させた事
そうそう。
実はあの時にはもうあらすじだけ書いていたのでドキッ!としました。
他のメカにも乗せてみたいのは、皆さん一度は考えるものですね。

>楽しいので
いえいえいえ・・・。
それが本当ならお互いさまという事で。(*^_^*)
淳 | 2014.02.22(土) 17:51 | URL | コメント編集

●kisaraさん

いらっしゃいませ。
先ほどはお世話になりました。<(_ _)>

>他の人のGメカを操縦
聖さんのコメントにも書きましたが、私はジョーが長い脚を直角に折って操縦桿をカクカクしている姿ばかり浮かびました。

>>科学とは何かを語る博士の声
完全に子守唄ですね。
淳 | 2014.02.22(土) 17:56 | URL | コメント編集

●管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
 | 2014.02.22(土) 20:07 |  | コメント編集

●こんばんは

>実はあの時にはもうあらすじだけ書いていたのでドキッ!としました。
去年の3月に書いたアレにそんなコメントを戴いていましたね。
今、読んで来ました。
そんなに前から考えてらっしゃるとは。
本当に恐れ入ります。m(_ _)m

私は今回のは1週間掛けましたが、普段は殆ど当日書いて出してますから。(^_^;
真木野聖 | 2014.02.23(日) 00:14 | URL | コメント編集

同じ夢をみんなで見るなんて、どんな科学忍法なんでしょう?(笑)
豆タンクを操るジョーを想像して腹筋を鍛えてしまいましたよ~

>ヘタするとサイが来るからのぉ
サイのくせに空を飛ぶアレですね(爆笑)

もしかしたら博士は講義という形をとって新しい催眠術のテストをしていたのでは?と思ってしまいました~

楽しいフィクをありがとうございました
キョーコ | 2014.02.23(日) 14:28 | URL | コメント編集

●鍵コメさん

いらっしゃいませ。
こちらこそご無沙汰しております。
忘れずにいらしてくれてありがとー。(^O^)/

そう、いつでも、いつまでもガッチャマンは素敵です。
淳などニマニマしすぎて、お顔のシワがムムム・・・。

またぜひいらしてね。
こちらもお邪魔させてもらいます。

淳 | 2014.02.24(月) 15:49 | URL | コメント編集

●真木野聖さん

>そんなに前から
白状すると、この話は222のために考えていたものではないんです。

何か思いつくと書けるまで自由に書いて(メモみたいに)そののちに整えて「話」にします。
そのひとつなんです。
だから222とはあまり関係ない話でしょ?

>当日書いて出してます
そのような離れ業(!?)は、なかなかできましぇん。((+_+))

淳 | 2014.02.24(月) 15:55 | URL | コメント編集

●キョーコさん

>どんな科学忍法
「科学忍法 脳波同調 いい夢見よう!ゴー!」 ← よくわかりません

>腹筋を鍛えて
ナントカキャンプ(古っ!)より効くかも。

>空を飛ぶアレ
出そうかどうしようか迷ったんですけどねー。
GPが降りられないのでやめました。

>新しい催眠術のテスト
「よし、かかった。テストは成功だ」
─ 博士、ギャラクターが現れました ─
「いかん、皆起きろ。手を打ったら起きるんだ。(パン) お、おい、起きるんだ、諸君。(パンパン) 起きてくれーー!」
どうなる忍者隊。

こちらこそ、お読みいただきありがとうございます。


淳 | 2014.02.24(月) 16:09 | URL | コメント編集

●わはは

>最後の台詞をジョーに向かって言う
まずここで笑って、慣れないメカに奮闘する諸君に笑って
博士の「こらあ!」に笑って、皆さんのコメントにも大笑いe-343

「ギャラクターの陰謀を叩き潰し、南部博士の講義を乗り越えて、
 行け、科学忍者隊。 頑張れ、我らのガッチャマン!」
へい | 2014.02.24(月) 17:33 | URL | コメント編集

●へいさん

こんにちは~。

たくさん笑っていただきありがとうございます。

>博士の「こらあ!」
「こら!」ではなく「こらあ!」と「あ」が入っている、あの博士の台詞(?)にしました。

>講義を乗り越えて
あはは・・・。
彼らにとっては戦いと講義とどっちがシンドイだろう。
しかしこの予告編だと、どーいう話だ?と首を傾げる人が多いだろうなあ。
視聴率アップに繋がる!

淳 | 2014.02.25(火) 14:15 | URL | コメント編集

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